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2010年7月31日土曜日

カピバラ山地国立公園


カピバラ山地国立公園(セラ・ダ・カピバラ国立公園)はブラジルのピアウイ州にある国立公園。面積は979平方kmにも及び、絶壁がそそり立つ奇岩群と灌木が見られる。3万点もの線刻による岩絵や洞窟壁画が発見されており約400の遺跡が確認されている。

遺跡の1つ、サン・ライムンド・ノナト遺跡には、カピバラ、シカ、ジャガーなどの動物、古代人の生活、狩猟、儀式などの場面を描いた岩絵が264か所残っている。他にもすでに絶滅した動物と考えられるものや、船の絵なども発見されている。

遺跡で採取された試料による放射性炭素年代測定が行われており、古いものでは60000年前に遡る結果が出ている。これらは、南米に残された最も古い人類活動の証拠の一つとなっている。

通常、土器出現以前(例えば、最古といわれている縄文時代の土器は16000年程前)の旧石器時代の遺跡では、人類が利用した石器が遺物の大半を占めており、その他の遺物はほとんどなく、当時の人々がどんなものを見て、どんな活動をしていたかを知る手がかりは極めて乏しい。考古学の研究では、わずかな証拠から当時の人々の活動を復元しなければならないため、多大な困難が伴うことは言うまでもない。

そんな中にあって、60000年も前の人の「精神」に触れるような資料がどれだけ重要かは、容易に想像がつく。もちろん、残された壁画からどうやって実証的に当時の人々の心を分析するのか、という問題はまだつきまとってはいるのだが。

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スルセイ(スルツェイ)


1963~67年の海底火山の噴火で形成された無人島であり、アイスランドの南に位置している。歴史上、最も詳細に記録された海底火山の噴火の一つとして、地学的価値が大きい。また1965年6月には浜辺に植物が生えているのが発見され、現在では緑に覆われ、アザラシや海鳥も集まっている。

「スルセイ」とは「スルトの島」の意であり、「スルト」とは北欧神話に登場する、炎の剣を振りかざして南から神々に襲いかかる巨人の名前だえる。アイスランドの南の海上で炎を吹き上げる様子から、この名前が付けられている。

また神話では、スルトの炎によって焼かれ、海に沈んだ大地が再び浮かびあがり、種をまかずとも穀物が実ったというくだりが『エッダ』に書かれている。この描写は、スルセイが噴火後に緑に覆われたことと関連しているようで面白い。

こうしたことから、北欧の神話にある描写が、火山活動から着想を得ている可能性を示唆するものとしても興味深い遺産である。

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