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2010年9月3日金曜日

エヴァグレーズ国立公園(アメリカ合衆国):2010年登録危機遺産

Everglades National Park (United States of America)

エヴァグレーズ国立公園は深刻で継続的な水界生態系の劣化が原因で危機遺産に登録されることになった。

危機遺産登録はアメリカ合衆国側からのリクエストであった。エヴァグレーズ国立公園が危機遺産に登録されるのは2度目である。最初は1993年でありハリケーン・アンドリューによるダメージと農業・都市開発による水質の顕著な劣化が原因であった。2007年には公園そのものとより広範な生態系の回復が評価され、危機遺産リストからはずされることになった。

しかしながら、遺産の劣化は進行していた。水の流入が60%も減少し、富栄養化、水生生物の生息域の消滅とそれに付随する水生生物の減少の顕著な兆候が見られるほど、栄養素汚染が進んでいた。アメリカ合衆国の要請によって、2010ユネスコ世界遺産センターとIUCNの専門家に遺産を訪問してもらい、その現状を評価していち早い危機遺産リストからの脱却の支援を求めている。

エヴァグレーズはフロリダの南端にあり、西半球で最も大きなマングローブの生態系、北米で最も広大なソーグラスの平原と最も重要な渉禽の繁殖地となっている。「内陸から海に向かってわずかに流れる草原の河」ともいわれている。海棲動物の多様性は類を見ず、多くの鳥類、爬虫類、マナティーなどの絶滅危惧種の聖域となっている。

世界遺産オンライン事典のページ
http://worldheritage.is-mine.net/r00026.html
(英語)http://worldheritage.is-mine.net/r00024en.html

2010年9月2日木曜日

カスビのブガンダ王国歴代国王の墓(ウガンダ):2010年登録危機遺産

Tombs of Buganda Kings (Uganda)

2010年3月に、火災によってカスビの丘の頂部にある旧宮殿が焼失した。この旧宮殿はこの遺産の主要な構造物であり、4つのブガンダの王墓が含まれていた。この遺産は13世紀にブガンダ王国によって発展した建築様式の顕著な見本であり、再建される予定である。

カスビのブガンダ王国歴代国王の墓はカンパラ地区丘陵部の30ヘクタールに及ぶ地域を包括すしている。指定されている地域のほとんどは農地であり、伝統的な方法で農耕が行われている。核心部である丘陵の頂部ではブガンダ王国のカバカ(王)の旧宮殿があり、1882年に建設され、1884年に王墓として利用されるようになった。この旧宮殿にある、円形でドーム型天井を持つ主屋には4つの王墓があった。これは主に木材、わら、葦、編み枝としっくいによる土壁など自然の材を用いて作成された建築活動の優れた見本となっている。

しかしながら、この遺産の重要性は、信仰、精神性、継続性、アイデンティティといった、眼に見えない価値に置かれている。

世界遺産オンライン事典のページ
http://worldheritage.is-mine.net/r00699.html
(英語)http://worldheritage.is-mine.net/r00715en.html

2010年9月1日水曜日

アツィナナナの雨林(マダガスカル):2010年登録危機遺産

Rainforests of Atsinanana (Madagascar)

不法な伐採と絶滅危惧種のキツネザルの狩猟が原因で危機遺産リストに登録された。紫檀や黒檀の伐採と輸出が法令で違法とされているにもかかわらず、マダガスカルでは不法に伐採された木材の輸出を規制しないままとなっていることや、輸出先の国が世界遺産条約を批准していることが、世界遺産委員会から指摘されている。

世界遺産委員会はマダガスカル政府に法令を強化し、不法な伐採活動を中止するための措置を講じるよう要請している。また、国際的なマーケットにマダガスカルの不法伐採木材が流れないよう求めている。

6000万年前に大陸から切り離されて以来、マダガスカルの動植物は独自の進化を遂げてきた。「アツィナナナの雨林」はこの国の東側にある6つの国立公園から成っており、この島の地理的な歴史を反映している固有の生物多様性を存続するために必要な、現在も続いている生態系のプロセスを維持するために極めて重要である。多くの種が希少で絶滅危惧種であり、とりわけ霊長類、キツネザルがそうである。

世界遺産オンライン事典のページ
http://worldheritage.is-mine.net/r00830.html
(英語)http://worldheritage.is-mine.net/r00844en.html